「夕焼けの次の日は晴れ」「太陽や月に輪(暈)がかかると雨か曇り」「カエルが鳴くと雨」…。生物の行動や自然現象(雲や霧の様子)を観察して天気を予想することを観天望気といい、昔からさまざまな言い伝えが残っている。
第四管区海上保安本部海洋情報部は昭和63年7月、航海や漁業など海に関わりのある人々の安全の一助とするため、愛知・三重の漁協などを通じて集めた気象に関する言い伝えをまとめている。
それによると、「北東(ナライ)の風が吹けば明日は雨」(大曽根)、「南西方向に黒い厚雲が現れると雨が強い」(早田)、「春 南風が吹く時は鶯がよく鳴く」(三木浦)、「船虫が上がる年は暴風がある」(須賀利)、「満潮に南の風が吹いて来た時は避難せよ」(錦)。「(春)尾鷲が暗くなると風」(御座)などたくさんある。
気象観測衛星やコンピューターを駆使する天気予報。テレビやネットでさまざまな情報が手に入り、自然に目が向きにくくなった現在社会にあって、これらの言い伝えはどこか風情を感じる。時間に追われる毎日だが、たまには自然に目を向け、先人たちが積み重ねてきた知恵に触れてみるのもいいのではないか。
(J)