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FM新宮と新宮市、初の大規模訓練 災害時に情報届ける

手順確認、課題洗い出す
 
 FM新宮放送局(床浦勝昭代表)と新宮市は9月29日、南海トラフ巨大地震を想定した「大規模災害対応・放送訓練」を初めて実施した。通常の通信手段が使えなくなった場合に備え、FM新宮の神倉のスタジオから市役所内に設置した緊急放送システムに実際に放送を切り替え、市役所からFM86.4MHzを通じて災害情報を発信。機器操作や伝達体制など一連の手順を確認し、実際の災害に備えて課題を洗い出した。
 
 市とFM新宮は今年1月7日、「災害時における放送要請に関する協定」を締結。大規模災害が発生した場合、市からの要請を受けてFM新宮が避難情報や避難所、道路・交通、ライフライン、救助・救護・医療などの情報を市民に伝える体制を整えている。

 FM新宮は通常、スタジオからインターネット回線を使って市役所7階に設置した送信機へ音声を送り、屋上のアンテナから放送している。大規模災害でインターネット回線などが途絶えた場合は、市役所内に備えた機材を送信機に直接接続することで、放送を継続できる仕組みとなっている。

 訓練は、通常放送中の午後1時30分、和歌山県沖を震源とするマグニチュード9.0の南海トラフ巨大地震が発生し、新宮市と紀宝町で震度7を観測。和歌山、三重両県沿岸に大津波警報が発表されたとの想定で開始。通常放送を中断して災害対応放送に切り替え、同40分ごろに緊急放送システムへと移行した。

 市役所の屋上へ続く階段の踊り場に設けた放送席から、市民パーソナリティの須川幸太さんが、市災害対策本部の情報に基づき、海岸や熊野川など河川の近くから直ちに高台へ避難するよう呼び掛けたほか、家屋の倒壊や火災、道路の損傷、停電、断水、通信障害などを想定した情報を発信した。

 市防災対策課の廣井和樹課長は、スタッフが限られたスペースで短時間に放送体制を整えたことを評価。また、防災行政無線とは異なり、普段から聞き慣れた声で情報を伝えられるラジオの利点にも触れ、「大変心強く、市としてもしっかり連携していきたい」と述べた。

 床浦代表は「災害放送への考え方に大きな影響を与えたのが東日本大震災。市の姉妹都市・宮城県名取市の当時の市長から、乾電池でも聞けるラジオが重要な役割を果たしたことを聞いた」と説明。「本当に大災害が起こった時、『FM新宮があってよかった』と思ってもらえるよう、必要な情報を確実に届けられるように訓練を重ねたい」と話した。

      新宮市

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