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世界平和、熊野から祈る 初の合同採燈大護摩供

日本三大修験の行者 那智山に集い

 那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の三重塔前で18日、熊野修験が英彦山修験(福岡県)の山伏を迎え、初めて合同で「採燈大護摩供」を営んだ。羽黒修験(山形県)からも山伏1人が加わり、日本三大修験の行者約40人が世界平和を祈った。

 青竹を立てて縄を張った結界の中に、英彦山と羽黒から訪れた山伏約10人と、熊野修験の行者約30人が並んだ。元THE BLUE HEARTSのドラマー、梶原徹也氏が昨年に続いて奉納演奏し、行者らの吹き鳴らす法螺貝と約30分にわたって共演した。

 山伏問答の後、法弓、法斧、法剣で魔を払う作法が続き、ヒノキの葉で覆われた護摩壇に火が入った。行者らが手を合わせる中、白い煙が勢いよく立ち昇り、三重塔を包み込むように広がっていった。塔の上層からも参拝者が見守った。髙木智英副住職によると、立ち昇る煙が願いを天へ届けるという。

 最後の火渡りでは、燃え残った薪炭の上に丸太を載せ、参拝者や国内外の観光客が素足でその上を歩いた。

 式を終えた髙木副住職は、ほっとした思いを口にしつつ、今回の意義を語った。明治の神仏分離や廃仏毀釈、修験道廃止令で、修験はいったん途絶えた。それぞれに復興した熊野と英彦山が熊野の地で護摩を共にするのは「明治以来初となると思います」という。

 熊野修験の行者は約10年前から、毎年英彦山の大祭を訪ねてきた。英彦山の山伏を熊野に迎えたのは今回が初めてで、正式な合同開催も初めてとなる。

 テーマの「熊野から世界平和への祈り」は昨年から引き継いだ。世界ではいまも紛争が続く。「世界平和を願って、熊野修験、英彦山修験の行者が一丸となって、世界平和につながるように」と、副住職は今回の祈りに込めた思いを語る。山伏の数が減る中、修験に触れてもらうだけでも営む意味があるとし、合同開催を通じて熊野から世界へ発信していきたいという。

 来年は熊野修験再興40周年。「これまでにない、また盛大な大護摩を」と意気込み、羽黒修験などとの縁も広げていきたい考えだ。来月3日の英彦山の大祭には、今年も熊野修験の行者が足を運ぶ。

      那智勝浦町

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