厳しい経営状況が続いている尾鷲総合病院の病院運営懇話会が15日、同病院で開かれた。病院事務局から収入確保と支出抑制の取り組みについて説明があり、その後、意見交換が行われた。加藤千速市長は、経営改善の取り組みについて「今がまさに剣が峰」と語り、重大局面であるとの認識を示した。
人口減少が続く中、患者も減少傾向となっており、国の歳出抑止策でこれまで診療報酬が圧縮されてきたこともあり、公立病院の多くが赤字となっている。2024年度には全国の公立病院のうち83.3%が赤字。事務局からは、類似規模病院の平均に比べ、一日平均の患者数は多いものの病床利用率が低いこと、医業収益に対する職員給与比率が高いこと、他会計からの繰り入れは少ないことが報告された。
今年3月末現在、医師は14人で22年3月末に比べ3人増えているものの、正看護師は20人減少している。事務局は、応援医師の割合が高いことが給与比率の高さにつながっていると説明。今後の対策として、非常勤医師の診療科の縮小、宿日直・待機の非常勤医師の回数の削減を挙げたほか、中長期的な取り組みについて「患者の少ない診療科の非常勤化」を検討する。
収益確保については、夜間看護補助加算や入退院支援加算が受けられるようにすることを目指す。一方で、実施には看護師や看護補助員の確保が必須で、人口減少に伴い地域人材による担い手不足が考えられることから「外国人の採用が必要となる」との方針が示され、担当者は「年明けには何か発表できるようなスケジュールで進めている」と述べた。
幸治隆文院長は「スタッフ一丸となって取り組んでいるが厳しい」と現状を吐露。「不採算部門を切り捨てることで経営を改善するのは医療サービスの低下につながる」と語り、安易な規模縮小に慎重な姿勢を見せた。その上で「医療の質を上げつつ信頼していただく病院にすることで、この病院で治療を受けたいという方を一人でも増やしていきたい」と語った。
救急業務の赤字に対し、紀北町により多くの支援を呼び掛けるべきとの意見に対し、加藤市長は「打診はしている。今後、正式に申し出たい」と回答。診療科の構成については「最終的に診療科の削減などを考えていかないといけない。多少なりとも痛みを伴うことも行っていかなければならない」と述べた上で「基本的に2次救急は守る」と語り、それ以外の部門はゼロベースで検討するように指示している、と回答した。
分娩について「里帰り出産を受けれている」との説明があり、委員から「もっとPRしては。(出産する人の)親に知ってもらう必要がある」と提案があった。
