全国各地でクマの市街地への出没が問題になる中、尾鷲市立矢浜小(児童48人)で13日、学校内にクマが入ってきたことを想定した避難訓練が行われた。運動場で遊んでいた児童らは先生の「クマが出た」の声を合図に一斉に校舎に避難。2階以上に避難し、教員が出入り口の鍵を掛けたり防火扉を閉めるなどして子どもの安全を確保した。
尾鷲市や紀北町でもクマの目撃情報が相次いでおり、駆除も行われている。訓練は、児童生徒の迅速かつ安全な屋内避難体制の確立と、子どもの誘導や通報、クマの監視など教職員の役割分担の確認を目的に取り組んだ。
休み時間に児童が運動場で遊んでいる時に、西側からクマが侵入した想定。子どもたちは急いで校舎に避難。教室で人数を把握した後、4階のコンピューター教室まで〝垂直避難〟した。
講評した稲葉武彦校長は「慌てず、先生の指示を聞いてしっかり避難できた。できるだけ高い所に逃げて、自分の安全を確保してほしい」と呼び掛けた。
この後、市水産農林事業推進課の川村星太さんが講話。ツキノワグマの特徴について「黒くて、胸のところに三日月のマークがある。爪が大きくて力がある。鼻がすごく効く」などと紹介。山や森に一人で行かないこと、フンや足跡などを見つけたら引き返すことを求め、「避難訓練では走って逃げたけど、山ではクマから目をそらさず、ゆっくり後ろに下がって」と指導した。
稲葉校長は取材に対し「子どもたちの命と安全を守ることを優先して内容を考えた」と説明。「クマの出没はこれまで考えてこなかったが、今後の危険として想定する必要がある。子どもたちもニュースでクマのことはよく知っている。いつ起こってもおかしくないと思う。今日の成果や課題を検証しながら、子どもたちが安心して暮らせる学校にしていきたい」と語った。
視察した市教育委員会の出口隆久教育長は「運動場からはスムーズに逃げられていた。クマがどう動くか分からないので、(避難した)あとをどうするかは課題。検証し、今後の対応を考えたい」とコメントした。
16日(金)には向井小で、26日(月)には賀田小学校で同様の訓練を行う。来月には宮之上小学校でも計画する予定にしている。
