三重紀北消防組合消防本部および尾鷲消防署の新庁舎建設工事の起工式が8日、尾鷲市矢浜4丁目の新庁舎予定地で行われた。組合と尾鷲市、紀北町の議員や関係課長、工事関係者ら約40人が参列。玉串をささげるなどして工事の安全を祈った。
1975(昭和50)年建築の現庁舎は海抜11メートルの場所にあり、理論上最大クラスの南海トラフ巨大地震で津波浸水域にあるほか、施設が老朽化していることから海抜22・5メートルの旧尾鷲市水道部用地に新築移転する。
敷地面積は1万2681.43平方メートル。そのうち事業用地が7800.70平方メートルで、建物は鉄筋コンクリート2階建て。1階が尾鷲消防署、2階が消防本部とし、消防署用、本部用にそれぞれ鉄骨造りの車庫を設ける。延べ床面積は、消防署部分が1751.23平方メートル、本部部分が966.23平方メートル。現庁舎にはない出動準備室、トレーニング室、女性用スペースなどを設けるほか、仮眠室の個室化も図る。工事費は18億8760万円で丸昇・平野・塩谷特定建設工事共同企業体(代表者・株式会社丸昇建設)が担当する。
尾鷲神社の加藤守朗宮司が工事の安全と、新庁舎整備後の消防活動で住民がより安全安心に暮らせることを祈願。同組合の加藤千速管理者(尾鷲市長)が鎌での刈り初め、尾上壽一副管理者(紀北町長)が鍬(くわ)入れ、株式会社東畑建築事務所名古屋オフィスの笹村欽也常務執行役員と株式会社丸昇建設の瀬川桂代表取締役が鋤(すき)入れの儀に臨み、その後、関係者が玉串をささげた。
加藤管理者は、2011年の東日本大震災を受け、14年度に庁舎移転建設基本計画を策定して海山消防署、紀伊長島消防署と順に移転してきたと説明。「新庁舎は、消防組合の中枢である消防本部および最新の機能を備えた尾鷲消防署が一体となる構造。完成後は管内全域の防災拠点になるものと考えている」とあいさつ。工事関係者に「最後まで無事故で、すばらしい消防庁舎の建設にご尽力を」などと呼び掛けた。また「職員一同、地域住民の皆さまが、安全に安心して暮らしていただけるよう消防業務にまい進し、地域全体の災害対応能力の向上に努める」と決意を示した。
工期は来年12月末。その後、通信指令業務の広域化に対応するための機器整備や引っ越しなどを経て、2028年4月からの運用を目指す。
