大門坂駐車場(那智勝浦町市野々)の再整備計画に関し、町は22日、同地区で住民説明会を開いた。30人の参加者に対し、堀順一郎町長は「魅力を実感してもらえる場所にしたい」と強調。観光と緊急避難の拠点としてさらに有効活用できるよう、工事への理解を求めた。
■大幅な設備強化へ
同駐車場は普通車91台分のスペースがあり、公衆トイレや観光案内所、小規模な休憩スペースも有する。町が昨年度に策定した基本計画によると、155台分に拡大したうえで、女性トイレを現状の3室から8室に増やし、車道沿いにあるバス停を駐車場内に引き込む。「広場」、案内所、トイレをそれぞれ3つの屋根で覆い、雨風や夏場の強い日差しを防ぐ。鉄骨以外は紀州材の活用を目指す。プロポーザルでは、(株)堀田設計=和歌山市田中町=と榊原節子建築研究所=大阪市福島区=による共同体を選定した。全体事業費は4億4700万円を想定し、国の交付金などを活用して町の実質負担は8000万円程度となる見込みを示している。
説明会では、計画の概要を堀町長自ら解説したうえで「大門坂は熊野古道の雰囲気を感じられる場所。開かれた施設になれば」と述べた。大門坂バス停について、乗降の際に車両の前後を横断することへの危険性が指摘されているため、より安全な駐車場内に移転することが望ましいと補足した。
■有料化、騒音対策は
会場からは、現状無料の駐車料金の有料化について質問が上がった。堀町長は「まだ何も決まっていない」としつつも、「町民の税金を使うよりは、観光客に維持管理費として負担してもらうほうが望ましいのでは。『さらに安い駐車場がある』と中心部に誘導することもできる」との考えを示した。具体的な料金に関する言及はなかった。
施設を集中豪雨の際の緊急避難施設に活用する案への質問に対し、堀町長は「予報である程度予測できるようになったので、観光客は車で別の場所に避難してもらい、住民が一時的に退避することを想定している」と答えた。
排出ガスや騒音に関する近隣住民の懸念に対し、当局は「防音壁などを設けて、配慮するよう事業者に指示したい」と理解を求めた。
■議会にも説明
町議会9月定例会では、再整備事業の休止を求める決議が提出、可決された。一部議員から総務経済委員会への説明不足や大屋根の設置計画に多額のコストがかかるとして反対を受けている。予算は通過したが、当局は「意見が出れば、その都度関係者協議を行っている。理解を得られるよう、説明を続ける」とした。
今後は2027(令和9)年度に建屋の建築に着手し、28(令和10)年度に既存のトイレと東屋を解体したうえで、整備を完了する計画という。具体的な完成予定は未定とした。
