中秋の名月が過ぎ、季節はすっかり秋めいてきた。カレンダーは間もなく10月。これからますます秋が深まっていく。
旧暦で使われてきた月の呼び名「和風月名」では、9月は 「長月」。由来には諸説あるが、夜がだんだん長くなる「夜長月」が縮まったものとされる。「霜月」は文字通り霜が降りるころ、「師走」は師も走り回るほど忙しい月−など、それぞれの名前から、昔の人々の暮らしや季節の移ろいが浮かんでくる。
普段の生活では「◯月」と数字で呼ぶのが当たり前になり、日常で使う機会は少ないが、弥生や皐月など女性の名前にも使われるように、風情があり美しい響き。数字だけでは表せない趣が感じられる。
もうすぐ「神無月」。8世紀ごろに編さんされた「万葉集」にも登場するという。語源には諸説あり、「無」を「の」の意味と捉えて、収穫祭を営む10月に神様が来て豊かな実りを結ぶ「神の月」とする説や、全国の神々が出雲大社に集まるため、各地から神がいなくなったという説もある。
時には昔ながらの月の名を思い浮かべ、移ろう季節を感じてみたい。
【織】
