３月議会で加藤市長が３期目へ立候補を表明した。３か月後の市長選に向けて、まずは現職が口火を切った。

　今のところ対抗馬の話は耳にしていないが、改めて今回の市長選の争点を考えると、加藤市長が記者会見で挙げた『７つの大型事業』の是非ではないか。

　大型製材工場も陸上養殖工場も誘致できれば産業振興と雇用につながるが、ビジネスとして価値が見いだしてもらえるかどうか。野球場を中心としたスポーツ振興にしても、熊野市や紀北町も複数の体育施設と宿泊施設がそろう。

　大型事業はまだ途中で成果があるかは未知数。財政再建に苦しみながらなんとかつくった金を一気につぎこんだという印象。積極的な財政出動は必要だが、これが外れたら後がない、という状況でもある。

　トップが誰であろうと、次の４年間は現在の計画を調整しながらできる限り多くの実利を収穫し、失敗を最小限にとどめなければならない。政策を点検し、議論を深め、ビジョンを明確にするためにも、市長選はあった方が望ましい。

（Ｒ）