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神馬渡御で御旅所へ 新宮の速玉祭

厳かに祈りささぐ
 
 新宮市の熊野速玉大社は例大祭初日の15日の午後、神霊を神馬(しんめ)に遷(うつ)し大社や御旅所などを巡る「神馬渡御(とぎょ)式」を斎行した。神馬を中央に神職、奉仕員ら約100人が二列に並んで歩き、渡御を行った。大社から阿須賀神社へ、また大社へ戻り、御旅所へというコースを巡り、最後の御旅所神事では、厳かな雰囲気の中、参列者一人一人が心に祈りをともした。
 
 同例大祭は、神徳に感謝をささげ、皇室・国家の弥栄(いやさか)と氏子・崇敬者の幸福、世界平和を祈る祭儀。「新宮の速玉祭(はやたまさい)」として、お燈祭りとともに国の重要無形民俗文化財に指定されている。初日の「神馬渡御式」は、熊野速玉大神(=イザナギノミコト)を祭る第二殿「速玉宮」の例大祭。2日目の「神輿(みこし)渡御式」「御船祭」は、熊野夫須美大神(=イザナミノミコト)を祭る第一殿「結宮」の例大祭。
 
 2日間で大神様が町内をめぐり、御旅所での神事で祭られる。御船祭では、神霊を乗せた神幸船に先駆けて9隻の早船が熊野川を上り御船島を3周回る勇壮な「早船競漕」が行われ、盛り上がりを見せる。
 
 神馬渡御式は、熊野速玉大神(=イザナギノミコト)を祭る第二殿「速玉宮」の例大祭。15日午前中に本殿大前の儀を斎行し、午後から出発。熊野速玉大社で神事を行い、上野顯宮司が神霊を奉持。大社を出発した一行は国道を横断し阿須賀神社へ渡った。阿須賀神社での神事の後、神馬に神霊を奉安し、本社に還幸(かんこう)。
 
 大社で祭典の後、神霊を神馬に奉安し、熊野川の河原にある御旅所へ。御旅所前で松明の火に迎えられた一行は、杉の葉で作った仮宮(かりみや)で祭典。誰一人言葉を発さない静けさの中、御旅所神饌「オミタマ」を供え、上野宮司が祝詞(のりと)を奏上。最後に参列者一同、二礼二拍一礼で祈りをささげ、日が暮れ始める頃に本社へ還幸した。
 
 上野宮司は午前中のあいさつで、御旅所神事について「お祓いがあって、玉串があって、お神楽(かぐら)があってというふうな神事は一切ない厳かな神事。こういうものを『幽祭』と言う。自分の心をもって見えない大神様に語り掛けるという、”心からなる神事”」と説明した。
 
 阿須賀神社と御旅所での神事の前には、「神子」と呼ばれる稚児2人による「鈴剣の舞」の奉納があった。別名「神鎮めの舞」とも呼ばれ、神様の渡御の際に鎮める意味合いがあるという。共に小学4年生の垣下みのりさん、田中玲璃さんの2人は、神楽人の津越宏之さんの太鼓に合わせて、練習通り息ぴったりに舞を行った。
 
 渡御の際には、奉仕員や警察らが車両を一時的に通行止めにするなど運転手らの協力を仰ぎながら、安全確認を徹底した。
 
 

      10月16日の記事

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