自由民主党の総裁選挙は、一つの政党の党内手続きではあるが、実質的に次の総理大臣を決めることになるため注目度が高い。政権交代が当たり前になれば、自民党と交代可能なもう一方の政党の党首を決める選挙も大いに盛り上がるだろう。アメリカ大統領選挙的になるかもしれない。
将来ビジョンを示すのが政治家の役割とは思うが、それ以前に「この人にかじ取りを任せたい」という人がいない。若い人だと手腕がしっかりしているかが心配で、ベテランはこれまでの言動に疑問を感じる候補者が多い。
「総理が決まったらすぐ解散総選挙」という流れになっている。新しい内閣になれば何もしていなくても期待感から支持率が上がる。それを狙っての解散は党利党略でしかない。
せめて物価対策と都知事選で問題になった公職選挙法の改正をしてから選挙すべきだろう。落ち着いて将来のビジョンを競い合える状況でないと、政治家の思いが国民に伝わらないし、国民の多様な声も「物価高を何とかしろ」という声にかき消されるだろう。
(M)