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社説「通学路の安全確保も積極的に」

 新宮市立緑丘中学校と城南中学校の令和9年4月の統合再編に向けた協議が進められている。学校運営協議会や公民館、小中学校長らを構成員として一昨年9月に設立した「統合検討委員会」はこれまでに、校舎は現緑丘中学校のものを大規模改修して使用することを確認。さらに今月の会議で新校名について、公募結果を踏まえて「新宮中学校」に一本化し、今後市教委に提案する。最終的には市長が判断し、市議会で条例改正が可決されれば正式に決定する。

 検討委員会では大枠の協議が中心で、細部については学校教職員らで構成する「教育課程編成等委員会」の各部会で話し合いを続けている。そのうちの一つ通学路部会では、校区内が広くなることから、まずは危険箇所を洗い出した。交通量が多い割に道幅が狭いなど道路の形状による危険箇所もいくつかあるが、拡幅など抜本的な対策をすぐに講じることは難しい。注意喚起の看板設置や見守り活動など、できる安全対策を考える必要がある。
 
 見守り活動に関しては現在、各学期の始まりに教職員や市職員、保護者らが主要道路に辻立ちし、あいさつ運動を兼ねて実施している。大人が立つことにより、子どもたちの通学マナーが向上し、ドライバーにも歩行者に配慮した安全運転への啓発につながっている。これを日常的に行うことができれば、通学時の安全に大きく貢献するだろう。市教委だけでなく全庁的な業務として、各課の職員に輪番制で担当させてはどうか。また、地域住民にボランティアを呼び掛けてみるのも一つか。
 
 通学部会では今後、生徒たちの意見も踏まえてさらに議論を深めるとしている。日中は人通りが多くて防犯上安全と思われる場所でも、夕方以降になると人がほとんど通らなかったり、街灯が少なく暗かったりと変化する。その辺の状況は大人が見るだけより、毎日通学する生徒たちから聞き取りした方がより詳しい状況が明らかになるので、協働で進めることが大切。市教委は今回の統合再編について、まずは生徒たちにより良い教育環境を整えることが使命という姿勢を当初から示している。通学時の安全確保も生徒目線に立ち、できる対策から積極的に取り組んでもらいたい。
 

      3月29日の記事

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