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生活支えた道具77点 船、菓子、桶の職人を知る

 紀北町長島の紀伊長島郷土資料室で、第30回企画展「職人さんの道具展」が開かれている。桶(おけ)や船、和菓子などを作っていた職人の道具77点が展示されている。3月3日(日)まで。
 
 高度成長期以前の日本は、手作りの道具を修理しながら使い続けていて、日常生活は多くの職人によって支えられてきた。
 
 船は軽く耐久性に優れた強化繊維プラスチックが開発される前は、板を張り合わせて作っていた。水がもれないようにアイクチで合わせ面を調整して板を切る。接合部には樹皮を叩いたものを鉄製のヘラで詰めて水もれを防ぎ、板はノミで溝を彫り、錆びにくくするために亜鉛メッキをほどこした釘を打ち付けて固定していた。
 
 和菓子を作る道具は、タイや花、亀、扇などの木型、まんじゅう用の焼き印などを紹介。木型は薄い干菓子を作る板型、厚みのあるものを作るための二枚型や割型などがある。かつては引き出物と一緒に贈る引菓子や慶弔用の落雁などで使われてきたものの、生活スタイルや文化の変化により需要が減少していった。
 
 桶は水や食料の保存や運搬に使われてきたが、プラスチック容器にとって代わられた。一方で今でも日本酒やみそ、しょうゆなどの醸造で木桶にこだわる事業者もある。外側や内側のカンナ、当て木、木づち、ノミなど用途によってさまざまな大きさや長さの道具がある。
 
 企画した浅原俊昭さんは「職人が活躍していた時代の暮らしや手仕事に思いを寄せてもらう機会になれば」と話している。
 
 開館時間は午前9時から午後5時まで。月曜日と祝日は休館。問い合わせは、紀伊長島郷土資料室(0597-47-3906)。

      2月 8日の記事

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