魚釣りに行くようになった。週末の釣り人の多さに驚く。糸を垂らす場所に困るほど混み合う岸壁を見かけることもある。
尾鷲の売りは何よりも魚。釣りもそうだが、「ミネラル豊富でうまい」と言われる尾鷲の魚を食べてもらえる核となる施設が欲しい。大型水槽で泳ぐ魚を買ったり、客が釣って食べたりできる直売所と食堂を尾鷲港に整備する。市が掲げていた「食」の拠点整備は消え去った感があるが、週末の「おとと」のにぎわいを想像してみてほしい。
水産業の拠点となる漁港を、にぎわいなどを呼ぶ場所に進化させる「海業」が注目されている。水産庁も苦境にある水産業の課題解決を期待し、漁協などを支援するようになった。
釣りに来て、その足でどこかに立ち寄るわけではない。財布のひもは固い。だが、おいしい魚があれば買いに行くし、食べに行く。市外からの観光客らの消費意欲が高まり、観光面で市の魅力が高まることも期待できる。生産性のある「魚で稼げるまちづくり」を忘れてほしくない。
(N)