10月の最終日はハロウィン。アメリカ発祥の仮装パーティというイメージがあるが、実は2000年以上も前からヨーロッパに存在していた宗教的な祭り。この土着信仰がキリスト教と結びつき、「万聖節」の前夜祭として行われるようになったという。
日本でも30年ほど前から徐々に広がり、近年では渋谷の街で若者が大騒ぎする様子がよく報道されていた。しかし今年は少し違ったよう。コロナ禍が一段落し、迷惑となる路上飲酒やごみ放置、雑踏事故などを懸念して、渋谷区長が来ないでと呼びかけ。ハチ公像周辺を封鎖するなど対策し、当日は大勢の警察官が警戒する中、例年より仮装する人の姿は大幅に少なかったという。
宗教的な行事が、なぜ日本では大人が大騒ぎするイベントになったのか。コスプレという少しハードルの高い趣味が、ハロウィンの名を借りることで誰でも気軽に楽しめるようになったことだと想像する。普段は控えめな日本人にとって、日常を忘れて仮装を楽しむのはいいことだと思う。これから先、誰もが安心して楽しめるイベントになることを願う。
【織】