尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで企画展「写真で懐古 故郷の暮らしと風景 御浜町」が行われている。住民から借りた明治から平成はじめにかけて撮影された多数の写真が展示されている。8月20日(日)まで。
東紀州5市町を順に取り上げており、今回が4か所目。町内各地区の紹介のほか、県天然記念物の紀州犬、小中学校、生活、祭り、子ども、海岸、川、災禍などテーマごとにまとめたパネル33枚と、現物の写真やアルバムで構成。300枚以上の写真が展示されている真。
昭和21年の、志原青年団主催の角力(相撲)大会の写真は、多くの参加者で盛り上がる様子が分かる。太平洋戦争時に供出させられた阿田和の光明寺の鐘が新しく作られ、昭和29年5月3日に行われた式典には雨の中大勢が参列したことが分かる。
古いものでは、明治30年ごろ結婚式の翌日に撮影した、花嫁・花婿の写真が飾られている。パネルには、写真を借りた際に職員が聞き取った逸話が添えられている。
また、南方熊楠や柳田国男らが守り、県天然記念物になっている引作の大楠の、折れた大枝の一部も展示している。
担当者は「たくさんの人の協力で展示ができた。例えばお孫さんと見て、当時の話をするきっかけにしてもらえればいい」と話していた。
同センターによると、紀北町の写真展だけが行われていない。