人口わずか1万人の群馬県明和町に、米国発祥の会員制量販店「コストコ」がオープンした。町長が直談判した。情熱だけで押し切ったのではない。三方を囲む大型量販店の客を引き込めば商圏は大きく広がり、十分利益が見込まれるとの確信があった。
強引なリーダーシップへの批判もあるらしいが、町長の実行力を有権者の多くが支持し、政治を停滞させず推進していく力に期待する。
おわせSEAモデル構想の一つのグランピング施設が、事業者の撤退で白紙になった。市は引き続き事業化を目指し企業誘致を図るが、一方で肝心の中電も木質バイオマス発電の計画を断念した。加藤千速市長は市議会で「社としての強い信念と行動が必要だ」と公然と批判したが、何も中電だけを責めているわけではあるまい。構想が結実しない現実に、自責の念にかられているに違いない。
企業誘致は、自治体が事業者を見極めるだけでなく、フォローすることが不可欠だ。事業者任せでなく、自治体主体の確固たる戦略がないと成功に導くのは難しい。
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