来年秋に健康保険証を廃止して、マイナ保険証に一本化する改正マイナンバー法が成立した。行政のデジタル化は基本的に推進すべきだが、現行の保険証の廃止については拙速だと考える。デジタル化に対応できない人を置き去りにする印象が拭えない。
この地域でもマイナンバーカードやデジタル田園都市国家構想などが議論されるが、高齢者が多い地方では特にデジタルに精通していない人へのケアが重要な課題。
マイナカードは、全国的にトラブルが続発しているが、新しい仕組みを導入する際には避けられない。生命や健康につながる保険証の統合によりマイナカードの発行は進むが、いたずらにデジタル推進への不安をあおることにつながらないか。しわ寄せは医療や介護の現場、住民に接する基礎自治体に流れる。
高齢化と人口減少が進む地方は、デジタル推進による効率化、誰一人取り残さない体制の維持、相反する取り組みを両立していかなければならない。今後も住民一人一人に丁寧に対応しながら、不安に寄り添ってほしい。
(R)