新聞広告に「廃業」「閉店」のお知らせが出るたびに、寂しさと悔しさがこみ上げる。
そこには「コロナ禍で業績が悪化した」と一言では片づけられない理由がある。コロナ以前の問題で、過疎化が進み経済が低迷する当地域で商売を続けていくこと事態が厳しいのだ。
とはいえ、苦境を耐えしのいできた店である。どんな小さな商売でも地域経済を支えているわけで、廃業は町にとって代えがたい財産の損失である。
他企業や起業を目指す人による買収が活発化している。本紙地域も金融機関などが事業承継を支援する取り組みをしているが、事業を明け渡したい商店などの情報を行政のサイトで紹介してはどうか。空き家バンクのように。
結果として店や事業を手放すことになろうとも、同業者が引き継いだり、集約して事業を拡大する道もある。行政がそこに深く関与し、事業継続の道を探る。
「長い間のご愛顧に感謝します」という広告を突然見るよりも先に情報を入手できれば、マッチングの可能性も生まれる。
(N)