紀北町議会の全員協議会で、汐ノ津呂排水機場と広域ごみ処理施設計画が取り上げられた。
このうち、汐ノ津呂排水機場は資材高騰などで総事業費が3億円増額することが分かった。町の負担分でも1億円ほど増え、しかも今後の状況次第ではさらなる上乗せもあり得る。議会としては慎重になって然るべき話ではある。
ただし、この事業に着手できるのは町負担が3割で済む緊急自然災害防止対策事業債を活用できるからであり、この緊自債が活用出来るのは現時点では令和7年度までに完了する事業であるため、スケジュール的には立ち止まっている時間もない。
相賀地区の浸水対策は喫緊の課題で、これを放置するのは望ましいことではない。ただ、新たなポンプを増設すれば状況は改善するが、浸水から完全に安全が確保できる、という訳でもない。
世界情勢の不確定要素はウクライナ侵攻だけでなく、物価や為替が今後どう変動していくかは予想がつかない。緊自債の期限も、全国的に多発する災害対策推進のために延長する可能性もあれば、コロナ対策のための財政出動の反動で打ち切られることも考えられる。執行部、議会ともに難しい判断を迫られる。
(R)