今月開会する通常国会に提出される法案のうち、国交省に関する改正法案2件に注目している。
1つ目は空家対策特別措置法。この法律は〝特定空き家〟を行政代執行によって解体できるもので本紙地域でも近年適応されたケースがあるが、さらに「管理不全空き家」の分類を新設し、固定資産税の優遇措置の解除や指導・勧告で管理を進めていく。この〝管理が不十分な物件〟は今後指針を定めるとしているが、敷地に雑草が繁茂していたり、窓が割れていることを想定している。
2つ目は、全国の高速道路を有料とする期限を50年延長して2115年まで有料にできるようにする改正案。旧道路公団の民営化で掲げられた高速道路無料化が霧散した形ではあるが、老朽化するインフラへの対応は必要不可欠であり、そもそも制度設計の段階で齟齬(そご)があったのでは、とも思う。
空き家の問題は人口減少が激しい地方では深刻な問題で、高速道路の件もモータリゼーションで支えられる地方としては道路インフラの維持と発展はまちづくりの生命線ともいえる。社会の在り方が変わる中、変化していく国策にどう対応していくのか、地方の力量が問われている。
(R)