国道168号沿いの待避所や斜面にはかつて、弁当箱、ペットボトル、空き缶などのごみが散乱していた。ごみの投棄は、美しい景観を損ねるだけでなく、風雨によって熊野川から海に流れ出てしまうと漁業にも影響を及ぼす。決して許される行為ではない。
官民協働でつくる「国道168号美化協議会」が昨年7月から、沿線5か所に「公衆ごみ箱」を設置した。ごみは持ち帰りが基本だが、捨てるところがないから捨ててしまうという心理を考え、あえてごみ箱を設置。試験導入の際は公費(税金)で回収していたが、本格導入にあたり、エリア内の事業所や個人に協賛を募り会費をもって運営。回収作業は福祉施設に委託している。
まちの美化という考えからすれば、公費投入に問題はないが、この路線(場所)だけ特別にというところで理解を得られにくい。一方で、民間事業者からの会費という形にすることで、美化意識の高まりが期待できる。ごみ箱には事業者一覧が表記されており、捨てる側も少なからず感謝の気持ちを持つだろう。
設置から半年で一定の効果が見られている。今後、ほかの路線での導入も検討してはどうか。
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