南紀くろしお商工会による新春初笑い演芸会が5日、那智勝浦町体育文化会館で開かれた。会場を笑顔で包み込んだ落語家の林家染二さんは、第一部で笑いの効用について談話。その中で「雑談力」について言及した。
染二さんいわく、「普段どうして人としゃべるのか」の答えは大阪のおばちゃんの「もうかりまっか」「ぼちぼちでんな」という会話にすべて詰まっているという。すなわち雑談に”ないもの”が目的、要件、利害、責任、優劣、テクニック、深み、緊張感なら、”あるもの”は心地よさとのこと。染二さんは「つまりは『お互いに一生懸命やりましょうね』『泣いている暇があったら、笑って金儲けをしましょうよ』ということ。相手の目を見て、お話をする中から発見していきましょうねということです」と話した。
染二さんはさらに「そうだね」「ありがとう」「おつかれさま」「ごめんね」の4つと、一番大事な「大丈夫」の言葉を大事にすると笑いが絶えず健康になると続けた。大切なことは、日々のなにげない言葉や会話の中にあるようだ。それは人と距離を取るコロナ禍の今、なおさらに響く教えではないか。
【稜】