先だって野党5党が、臨時国会を開くよう政府に求めた。政府は「与党と相談して合理的な期間内に」との姿勢のようだが、例えば10月下旬になると「合理的な期間」とは言えず、憲法違反といえるだろう。それでも内閣が成立しているのだから、制度に問題があると言わざるを得ない。
参議院選挙期間中、山際大志郎経済再生担当大臣が「野党の人から来る話は、われわれ政府は何一つ聞かない」と演説して大きな批判を受けた。憲法の規定にかかわらず国会を開かないなら、「聞かない」姿勢の最たるものと言えるだろう。
一方、この問題については野党の本気度も試されている。国会法を改正するなりして「30日以内に」などとルールを決める必要がある。議員提出の議案を与党が無視または否決するなら、当然与党が批判される。
新型コロナ対応を名目に多額の予備費を積み上げ、国会の審議を経ずに支出できるようにしている。非常時対応として一つの手段ではあるが、より合理的な使い道を模索する必要がある。対立ではなく知恵を出し合うのが議会の役割だろう。干上がりそうな国民を放置することのないよう求めたい。
(M)