紀南の観光地で久しぶりに外国人観光客の姿を見た。新型コロナウイルス感染症の水際対策で停止していた受け入れを6月10日から約2年ぶりに再開するのを前に、政府は和歌山県など全国12県で海外の旅行者を迎えての実証ツアーを実施した。感染防止対策の順守方法や、緊急時の対応などについて検証し、結果を踏まえて観光事業者向けのガイドラインをまとめる。
和歌山県によると、コロナ前の2019年には年間約50万人の外国人観光客の宿泊があった。それが2020年は感染拡大した春先から受け入れ停止になり4万5000人に減少。2021年は在日外国人の利用のみで5500人にとどまった。
外国人観光客による経済効果は大きなものがあった。それが2年間ほぼゼロの状態。当面は旅行会社が行動管理する少人数のパックツアー形式となるが、活性化に向けた起爆剤になるに違いない。
実証ツアーで当地を訪れたシンガポールの男女4人は熊野古道「大門坂」に感動していた。母国にはない自然、そして日本でも都会にはない体験ができると話していた。独自性を出して売り込むヒントに感じた。
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