いろんなものが、だんだんと統合する流れになっている。インターネットによるグローバル化とは結局、世界を一つの単位にまとめていこうという流れである。ある程度規模のあるまちはどんどんと「小さな東京」化されていき、電車から降りた時の風景は似通ったところばかりである。土着の文化や生活様式はSNSのきらびやかな写真の世界の中で、非常に特殊かつ非日常的な情報として消費され、「グローバル」の文脈の中に閉じ込められていく。
統合の流れになる要因は「言語」であると思う。私たちが普段最も頻繁に使っている言語は、2進数。つまりは1か0か。スマホでもパソコンでも、この二つの数字で情報を伝達している。
言語はその社会の考え方を表す。例えば日本語には一人称を表現する言葉が「私」「僕」など多く存在するが、英語では「I」の一単語である。このことから、自分と相手との関係性を重んじる日本と、関係性よりも個人が立っている必要のある英語圏との考え方の違いが見られる。
すべての物事を0か1かで表現するなど、そんな寂しいことはないだろう。統合に反発したくて、私は地方を選んだのである。
【稜】