南海トラフを震源とする地震の津波発生に備え、新宮市の三輪崎区は高台への避難路整備を進めている。JRきのくに線よりも海側には高い建物が少なく、海岸部の住民は一時避難所として市が指定する三輪崎八幡神社へ避難する必要がある。できるだけ速やかに避難できるよう、また、子どもや高齢者、障がい者など災害弱者の安全も確保するため、関係機関の協力を得ながら進めているのが現状。6日には、区が使用許可を得ている高台に至る私道の一部について、地元業者が簡易舗装の奉仕作業を実施した。
昭和21年の南海地震の際、八幡神社に避難した経験のある高齢者もいるという。区の役員はこうした経験に基づき、何よりも高台へ逃げることの意識付けが大切だと訴える。
併せて、防災ボランティアへの若い世代の参加も呼び掛ける。大地震が発生すれば、被害は広範囲にわたり、行政や他地域からの救援をすぐに期待することはできず、自助、共助でしのがなくてはならない。役員らは、こうした際に若者を中心に盛り立ててほしいと願う。三輪崎区に限らず、どの地区にも言えることだが、若い力が防災・減災には求められている。
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