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紀南抄「魅惑の天体ショー」

 19日の夕方から夜にかけて、「ほぼ皆既月食」と呼べるほどの部分月食が起こり、日本の広い範囲でその過程が見られた。最大で月の約97パーセントが地球の影に入り、満月の大部分が隠れてから再び現れるまでの様子を楽しんだ人も多かったようだ。

 食の最大ごろに空を見上げると、ぼやっとした赤っぽい光を発見。もしやあれが月かもと思っている間にどんどん暗くなっていって、月の形は見る影もなくなった。

 しばらくしてからもう1度外に出てみると、三日月ぐらいになっており、次に見た時は美しく眩しいほどの満月に戻っていた。前日に「きれいな満月やね」と家族で話していた月がこんなにも姿を変える様子に感動した。天文学が今のように発達していなかった昔の人は、さぞかし驚いたんだろうなと感じる。

 月食は年に1回程度は起こるようで、次は約1年後に皆既月食がある。流星群も小規模なものを含めれば結構な頻度であり、今月末まではしし座流星群が出現中。夜空をじっくり観察する機会はあまり多くないが、空を舞台に繰り広げられる星と月のドラマを見守るのもすてきな夜の過ごし方だと思う。

【織】

      11月20日の記事

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