平成の城ブームが令和に入っても継続する中、天空の城、日本のマチュピチュなどと呼ばれる竹田城を代表とする山城への人気が高まっている。山城とは、険しい地形を利用して築城した自然の要塞。中世から戦国期に多く築かれ、日本の城の約99パーセントを占めるという。
新宮市近郊にも点在しており、熊野市の赤木城跡や鬼が城跡はよく知られている。赤木城は平成16年までに10年以上をかけて整備されて以来、ブームも相まって多くの観光客が訪れているよう。サクラの名所でもあり、シーズンには1度訪れてみたいスポットである。
その山城でにわかに注目を集めているのが紀宝町の京城(みやこのじょう)跡である。手入れが行き届かず樹木で覆われ、忘れ去られようとしていたが、現在は町指定文化財になり、保存活用委員会が中心となって整備を進めている。
京城は、北山方面からの攻撃に備えて築城したと考えられ、南郡・熊野市では赤木城跡と鬼が城跡に次ぐ規模を誇る。歴史的に価値が高く、城名にもロマンを感じる。まだまだ謎多き山城。調査が進み、全容が明らかになることを期待したい。
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