来年1月から新築住宅の屋根瓦の固定化が義務付けされる。令和元年9月に千葉県に上陸した台風15号「房総半島台風」で、半島南部を中心に、住宅の瓦など屋根材が飛ばされるなど、大きな被害が出たことから、建築基準法に基づく瓦屋根の留付けの基準が改正された。
この台風は千葉市で最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、多くの地点で観測史上1位の最大風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風となった。屋根側の被害を受けた多くの住宅は瓦が釘などで下地に固定されていなかった。一方で、同じ区域でほとんど被害のなかった瓦屋根は、平成13年以降、瓦業界が自主基準として導入した全ての瓦を釘やねじで固定する「ガイドライン工法」が用いられていた。
改正後の基準は、増築などする部分の瓦屋根には適用されるものの、既存の建築物に直ちに修繕を求めるものではないが、関係機関では建築や改修年月日などのチェックを勧めている。改修には多額の費用がかかり、補助があってもなかなかできるものではないが、少なくとも瓦の破損や浮きなどは直しておいた方がいいのかもしれない。
(J)