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紀南抄「思いやり信号」

 新宮市内に「思いやり信号」と名付けられた押しボタンがある。体の不自由な人など、道路の横断に時間がかかる場合に押すことで、信号機の色の切り替わりを遅くして渡りやすくするものだ。
 
 良い機能だと思うが、「思いやり信号」という名づけが引っかかる。というのも、ボタンを設置した側が自分から「思いやり」と名付けたのであれば、なかなかに恩着せがましいなと感じるのである。毎回押すたびに、「思いやり」であることを押し付けられはしないか。
 
 「思いやり」とは、誰かが主観的に「あれは思いやりだな」と感じるものであり、客観的に実在するものではない。では「思いやり」という言葉を扱う時に大切なのは、誰が感じているか・言っているかである。行動した者が自分から「思いやりですよ」と言ってしまうのは、なんだか違う。
 
 これは住民の認識に関する大切な問題だと思う。「たかだか名前であり、本質的な事柄ではないから放っておけば良いだろう」という反論があるかもしれないが、名前は認識を作り、認識は行動に影響し、行動は世界を形作る。「ゆっくりわたるボタン」にでも変更したらどうだろう。
 
【稜】

      10月18日の記事

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