尾鷲市内の熊野古道を紹介するオンラインツアーが先日行われた。動画通話アプリで参加者とレポーターをつなぎ、馬越峠や天狗倉山の魅力を伝えた。観光誘客を控えざるを得ないコロナ禍ならではのアイデアで、企画した地元ガイドは「何をするにも手探りで、接続の状態などで課題はあったものの、初めてにしては上出来」と手応えを語っていた。
レポーターに芸能活動をしている地域おこし協力隊の池山さんを起用したことを含めて、このような企画は行政が率先して行うべきだったと考える。もちろん予算が伴うもので、うまくいかない可能性はあるものの、コロナ禍であるからこそ、従来とは一線を画すアプローチが求められる。
例えば、市内の小中学生の授業の一環として、一次産業や熊野古道について学ぶオンラインツアーを実施するのはどうか。国のGIGAスクール構想で特に教育現場の環境整備は進んでおり、今後はICTを活用した学習方法の模索が続く。
将来的には、都市部の児童生徒が漁業や林業の現場をオンライン上で見学するような授業は十分にあり得る。まずは地元の小中学校で実践し、ノウハウを確立しておくのはどうか。
(R)