ある気象状態が、前後に比べてひときわ多く現れた実績のある日を特異日といわれる。たとえば11月3日。東京ではその前後に比べて晴れの確率が高く、雨が少ないという統計結果があり、東京の11月3日は晴れの特異日とされる。
8月上旬や下旬、9月中旬、下旬には台風が日本に接近しやすいとされる日が何日間かあるが、中でも9月17日ごろと26日ごろは「大型台風襲来の特異日」とされる。
17日に襲来した台風は昭和20年の枕崎台風。午後2時ごろ鹿児島県枕崎市付近に上陸し、特に原爆投下約1か月余りの広島県で犠牲者2000人を出した。16年後の第2室戸台風。16日に高知県室戸岬に上陸し、17日にかけて日本列島を駆け抜け、暴風や高潮の被害が発生した。
26日は昭和29年の洞爺丸台風と34年の伊勢湾台風など。洞爺丸台風では青函連絡船「洞爺丸」の沈没で死者行方不明者が1100人以上、伊勢湾台風では5000人を超え、戦後最大の犠牲者が出た。
毎年その時期に台風が来るわけではないが、注意すべき時期であることは間違いない。特に台風では数日前から進路が予想される。直前ではなく、ふだんからの備えが大切である。
(J)