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社説「人の動き加速イコール引き締め」

 緊急事態宣言の中、東京オリンピックが開幕した。新型コロナウイルスに関して、首都圏・都市部の感染者が増加傾向で、これまでの感染の波を見ると地方にも広がる傾向が伺える。各学校で夏休みに入り、行楽で出かける機会が増えるほか、お盆にかけて帰省の動きも加速するのか。観光関係や飲食業などにとって人が動くのはありがたいこと。一方で、ワクチン接種は高齢者に対してめどがついたものの、いわゆる現役世代への接種が本格化するのはまだ先になる。この地域の医療体制はほかに比べて脆弱なことを忘れず、気持ちを緩めることなく、一人一人が基本的な感染防止対策を続けることが大切だ。

 和歌山県福祉保健部の野尻孝子技監は、「第5波に入った可能性が高い」との見解を示した。感染の機会となり得る大阪など都市部での飲食には注意を払うよう求めたほか、東京オリンピックを観戦するために大人数で集まりお酒を飲みながら盛り上がることも感染リスクを高めるため控えるよう呼び掛けた。
 
 三重県の感染者数も増加傾向で、直近では、新規感染者の過半数が30代未満と若い世代の感染拡大が目立つ。経路別には家族間が48.9%とほぼ半数で、以下、職場16.3%、友人8.7%、食事会8.7%だった。この点に関して鈴木英敬知事は「身近な人と会う際には他地域の人と会う時に比べ気が緩み、感染防止対策がおろそかになっていることも考えられる」と注意を促した。
 
 東京オリンピック、行楽、帰省と、人の移動が活発になる中、具体的にどのような点に注意すればよいのか。若い世代では、普段会えない友人らと一緒に過ごす時間が増加することも考えられる。家族以外の人と飲食する際には「マスク会食」を励行することが大切か。 
 
 また、お盆の帰省や旅行など、人の移動が集中する時期を避けて計画し、感染拡大中の都市部への移動は控えることも必要。
 
 コロナ禍で迎える2回目の夏。自粛疲れと慣れはどうしても出てくるが、この地域で感染が大きく広がっていないのは、紛れもなく地域住民一人一人の意識の高さによるもの。ワクチンが希望者に行き渡るまでの間、今しばらく、これまで同様の意識で地域の安全をみんなで守り抜きたい。そのために、各自治体は必要な情報の速やかな発信や、コロナ禍で苦しむ住民や事業者への支援について寄り添った姿勢を見せてもらいたい。
 

      7月24日の記事

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