『中学生における農業・農村体験学習が食農意識に与える影響』という研究論文を興味深く読んだ。これによると、宿泊型農業・農村体験学習に参加した中学生の感想文を分析した結果、同学習が「食農意識」に強い影響を与えることが示唆されたとしている。
農業を直接体験することにより、自然を感じ環境意識を育む教育効果以上に、「食」と「農」のつながりや「農」の大切さを学ぶ教育効果が期待できることが考えられると結論づけた。
熊野川中学校の2年生の生徒が技術の授業で、畑づくりに汗を流し、サツマイモの苗を植え、収穫までを体験する取り組みが進行中である。昨年は獣害に遭い収穫はできなかった。それ故、「今年こそは」との思いが強い。困難に遭遇したからこそ、生徒や教職員、協力する地域住民が心を一つにしているように感じられた。
生徒の夢は、地域の住民を招き、収穫したサツマイモで「焼き芋交流会」を開催することだという。「食農教育」の効果もあるだろうが、農業を通して、生徒と地域住民が協働し、つながる「ふれあい」こそが最大の成果ではないだろうか。
【茂】