昨年のヤーヤ祭りのころ、全国的なニュースとしてクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の横浜港入港が話題となっていた。新型コロナウイルス感染症の国内の流行が深刻になっていくにつれて「ヤーヤ祭りはタイミングよかった」と話していたことを覚えている。現状を考えれば致し方ないことだが、21年ぶりの〝星祭り〟に沸いた1年前が遠い昔のようにも思える。
ヤーヤ祭りだけでなく、海のまちならではの文化を色濃く伝える新年からの催しは多くが中止となっている。流行から1年がたつも、再び卒業式や春の催しが影響を受けることは必至。
流行の長期化による経済的なダメージは蓄積しており、第3波と呼ばれる全国的な感染者数の増加による緊急事態宣言がさらに拍車をかける。尾鷲市や紀北町も例外ではない。夜のまちに人の姿はなく、店の明かりも消えて、寒さも相まってまちが凍りついてしまったような錯覚を覚えた。
感染症拡大防止のための自粛はもちろん必要だが、過疎化の中でなんとかやってきた地方経済の損失は大きい。予算との兼ね合いになり、時期も選ばねばならないが、市町独自の追加の支援策の議論が必要だ。
(R)