紀北町の自然と漁業をPRするオンライン企画で、画面越しの子どもたちの反応は上々だった。遠方の子どもたちがこの地域の産業に興味津々といった様子は微笑ましく感じた。企画に携わった地域おこし協力隊員の「都会の子どもたちは生きた魚を見る機会がなく、興味を引くはず」との意見は納得できる。
この企画で新鮮に感じたのは、遠方の子どもをターゲットとした点。ICTを活用した企画は珍しくなく、小中学校の授業に地場産業の学習が組み込まれていることも多いが、遠方の子どもたちへのオンライン企画はこの地域ではあまり見かけない。
前述の企画も親子で参加していたケースも見られた。子どもには家族がいて、ふるさと納税や観光旅行へのきっかけになり得る。直接的な効果はともかく、その地域を好きになる土壌づくりとしては有効だと考える。
オンライン企画は低コストなのも魅力的。たとえば体験ツアーを企画すれば費用も手間もかかり、参加者は休日を丸々潰すことになるが、オンラインならば手軽に取り組める。費用対効果を気にしないのであればアイデアも生まれやすい。今後も継続してさまざまな可能性を探ってほしい。
(R)