季節性インフルエンザが流行するシーズンを迎えている。今年は、新型コロナウイルス対策が奏功しているのかインフルエンザの報告が昨年に比べて極端に少なくなっている。厚生労働省の週報によると10月4日までの1週間の定点医療機関での患者報告数は7。昨年同期は4889だった。
今年は、特に重症化リスクが高い高齢者への予防接種が呼び掛けられている。インフルエンザの予防がなぜコロナ対策につながるのか。中村公郎尾鷲保健所長によると、病院に来る患者が減れば、コロナか、そうでないかを振り分ける負担が楽になるからだそう。
新型コロナで病院は大変な状況。対策でコストは増加。一方で受診が抑制され収入は減っている。ある医療関係者が「感染防止のガウンやマスクは使い捨て。ガウンは1枚1000円余り。Tシャツを使い捨てているようなもの」と自嘲気味に話していた。医療が疲弊すると住民の健康が脅かされる。
「柿が赤くなると、医者が青くなる」という言葉をある医師のエッセイで知ったが、それどころではない状況。国の財政も厳しいが、公的資金投入など医療現場を支える追加支援策が必要だろう。
(M)