年の瀬の風物詩である「年末・きいながしま港市」の中止が発表された。魚のまちならではの一大イベントの中止は残念だが、「感染症対策が難しい」との判断はうなずけるものがある。
旅行自粛の反動か、GoToトラベルなどの施策の効果か、国内の観光地が集客力を取り戻しつつある中、今年の観光客やイベントの来場者の数は読みづらい。年末港市は3密状態になる可能性があり、例年よりも来場者数が増えることは十分に考えられる。
一方で、毎月開催の「三重紀北町きいながしま港市」は今月から再開する予定。会場も内容も似ている企画で、一見矛盾しているようにも思えるが、個人的にはどちらの判断も妥当なものだと考える。もちろんリスクをゼロにすることはできないが、毎月の港市は年末のイベントほど密集せず、地域経済を回すという意味でも開催することに意義はある。
中止が続いている尾鷲イタダキ市、海・山こだわり市も内容に通じる部分があるものの、会場の状況や客層などに若干の違いがあり、判断が分かれるところとなる。コロナ禍のイベント開催の是非に正解はなく、リスクを見極めながら検討していくしかない。
(R)