今年は日中戦争、太平洋戦争の終戦から75周年。15日に全国戦没者追悼式が行われる予定だが、尾鷲市と紀北町では公的な追悼行事が新型コロナウイルス感染症の影響で実施できない状態。戦争を体験した人も年々少なくなっている。実際に戦地に行った人で存命の方は、もうわずかなのではないか。
年末に熊野市紀和町の鉱山資料館に出向いた時。紀州鉱山のいわゆる社内報が置いてあった。めくってみると昭和34年12月のものに「開戦18周年に当り」という特集記事が載っていた。
インパール大隊の生き残り23人のうちの元軍曹、フィリピン・ルソン島に敵前上陸したという元伍長、昭和19年に硫黄島に上陸。陣地構築中爆弾でけがをし、内地で治療していたため命拾いした兵士など、生々しい記録が残る。
二度の世界大戦を経て、戦争自体起こしてはいけないことという認識が国際的にも広がっているが、世界には今も休戦中の場所があるし、戦闘が続いている場所もある。
戦争を体験した本人の話はもちろん、それを聞いた人の話も、貴重になりつつある。戦争の恐ろしさ、悲惨さが今後も語り継がれることを願う。
(M)