マメ科の一年草、エビスグサの種まきが賀田町であった。天日干ししていった種は「ハブ茶」または「まめ茶」と呼ばれている。
北アメリカ原産で、日本には享保年間に中国から渡来したといわれており、日本でも広く栽培されているという。異国から渡来したという意味から「夷(えびす)」の名がついたとか。中国ではこの種を決明子(ケツメイシ)と呼び、漢方として珍重されているという。
同じマメ科の植物であるカワラケツメイ。この葉や茎など、根以外のすべてを乾燥させたものが「まめ茶」。本州、四国、九州に分布し、薬効が決明子と似て河原に生えることから、この名がついたとされる。
まめ茶の名前はまめ科の植物からきているようだが、山陰の小京都ともいわれている島根県津和野町では、方言で「まめになる」=「健康になる」から、元気になるお茶という意味からきているとも。
「昔はハブ茶をよく飲んだが、今は飲まない」と別の地区の高齢の女性。これも地域の文化だが、このままではやがて途絶えていく。賀田コミュニティーセンターは種まきから製茶まで取り組んでいる。できれば若い人にも参加してもらいたいものである。
(J)