三重とこわか国体・大会は、多くの人の延期の期待に応えられず、中止が決まった。東紀州5市町に22日に尋ねたところ、尾鷲市、紀北町、御浜町が延期を希望し、紀宝町が「県の判断に従う」と答えた。熊野市は「回答を控える」ということだった。
今回、明らかになったのは、決断までの期間が1か月では短すぎるということ。ワクチンの発病、感染防止効果が完全でなく、治療薬も完成していなければ、今年ほどのリスクでなくとも、来年度も同じように、直前で中止ということが起こりかねないし、自然災害で実施不可能、という懸念もある。ルールによって不都合が生じるなら、ルール自体の改正が必要だ。
結果論になるが、前知事の退職のタイミングも悪かった。退職を表明してから、今年の実施を見送る決断に迫られ、発表は知事選の告示直前。一見知事に与えられた時間は実質1週間なかった。
今後は、種目別の全国大会の誘致や、これまでに引き続いて選手の育成・強化、競技団体の活性化などに取り組むことになっている。国体・大会開催に向けてきた取り組みが〝負の遺産〟にならないよう、前向きな事業展開を期待する。
(M)