県初の実地訓練も
三重県は20日、大紀町コンベンションホール(大紀町崎)で、クマの緊急銃猟を想定した初の実地訓練を実施。紀北町など市町の職員などがクマの発見や情報共有、緊急銃猟の条件などを確認し、住民の安全確保への知見を高めた。
緊急銃猟は、各市町村長の判断によって一定の条件下で銃猟を許可する制度で、尾鷲市では先月にわなで錯誤捕獲したツキノワグマ1頭を駆除している。
県による緊急銃猟の実地訓練は初めてで、県や市町の職員、警察、猟友会など約120人が参加し、図上演習や実地訓練に取り組んだ。本来は尾鷲市の図上演習も行う予定だったが、クマの目撃情報への対応で急きょ出席を取りやめた。
図上演習は紀北町や大紀町などでクマが出没した想定で、関係者が対応策を検討。紀北町では赤羽小中学校や三浦小学校の付近の想定で行った。三浦小付近のケースでは、クマがミカン畑から動かずにこうちゃく状態が続いたために緊急銃猟を検討し、対策本部の設置や住民避難措置、射線方向、バックストップなどの条件を確認していった。
図上演習の後、実際に同ホールの外でクマが出没した想定による実地訓練があり、通報や注意喚起、緊急銃猟の検討と準備、捕獲者の配置、安全確保までの一連の流れを実際に行って習得した。ほかにも、ドローンによるクマ撃退スプレーの噴射も行った。
演習に先駆けて、専門家によるクマの生態や緊急銃猟制度の座学があった。夜間に出没していたクマを放置した結果として人身被害につながったケースなどの紹介があり、地域住民から速やかで正確な通報が被害防止につながる、と説明があった。
クマアラート発表
三木里の目撃情報受け
三重県は20日、尾鷲農林水産事務所管内(尾鷲市、紀北町)にクマアラートを発表した。11日および18日、19日に尾鷲市三木里町内でツキノワグマの目撃情報があったことを受けて。期間は10月19日までの2か月間。
注意報の発表基準のうち、「被害防止地域(集落等から概ね500メートル以内)において、出没があった地点から半径1キロの範囲で、1週間以内に複数回の出没があったとき」に該当するため。防災行政無線での注意喚起、登山道や観光施設などへの看板やポスターの掲示で注意を呼び掛ける。管内へのアラート発表は5月11日から7月末までに続いて。
みどり共生推進課によると県内の4月1日から8月20日までの出没件数は48件で、うち尾鷲市16件、紀北町14件、熊野市7件と3市町に集中している。
