当地方の夏を彩った花火大会が一巡した。那智勝浦、新宮、太地、紀宝(鵜殿)、御浜(阿田和)、熊野と各会場で多くの観客を集めた。主催者ならびに警察や消防など関係機関の尽力に感謝したい。さて、大会が無事に終わり、にぎわいの余韻に浸っているところだが、行政がそこで安堵してはならない。今求められるのは、運営上の課題を洗い出し、来年へ向けた改善を直ちに始めることである。
新宮花火では開始時の市長あいさつの段階で一雨降り、雨具を持っていない人の中には会場をあとにする人もいた。イベント時のあいさつは簡潔明瞭でよいのではないか。午後7時30分の開始時間の前倒しも検討してほしい。子どもだけで観覧に来ていることを考えると、午後9時までに帰れるようなスケジュールを組むべきでは。夕暮れ時間帯に早め、薄暮をバックに打ち上げても美しい光景になる。また、今回初めてクラウドファンディング型ふるさと納税で寄付金を募っているが21日現在、支援者はいない。PR不足が要因か。無料駐車場約700台についても、熊野大花火のように清掃協力金として有料にすることも考えてはどうか。
太地花火は今回、会場を漁協前から東の浜に変更した。そのおかげで観覧スペースが広くなり、花火の打ち上げ場所との距離も近く、来場者はゆったりと迫力ある花火を楽しんでいた。熊野大花火は最後を飾る鬼ヶ城大仕掛けが滞留した煙によりほとんど見えない状態。不平不満を漏らす人は少ないだろうが、桟敷席を有料で販売していることも踏まえると、メインの花火があの状態では残念と言わざるを得ない。煙がはけるまで待つ調整時間を組み入れてもらいたい。また、会場ではスタッフが来年の大会への協力金を呼び掛けていたが、他の花火会場も含めて熊本地震被災地への義援金にも協力を求めてもよかったのではないか。
準備・運営は大変な労力だ。運営資金の確保には企業の寄付だけでは厳しく、駐車場の有料化やクラウドファンディングなど、新たな運営資金を生み出す動きはある。併せて、来場者に飽きられないようプログラムの工夫も必要。一年かけて知恵を絞り、来場者に喜ばれる花火大会が開催されることを期待したい。
